アニミズムという希望〜講演録 琉球大学の五日間 :
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アニミズムという希望〜講演録 琉球大学の五日間

2,750円

山尾三省著◆先日、新泉社という出版社さんに本を取りに伺った時のこと。「この本、表紙は地味なんですけど、すごくいい本なんですよ。是非読んでみてください!」とおすすめいただいたのが、こちらの『アニミズムの希望』という、詩人・山尾三省氏が、5日間に渡って琉球大学の学生に向けた連続講義の講義録でした。山尾三省氏は、ご存知の方はご存知かもしれませんが、1960年代に社会変革を志す「部族」という活動をはじめ、1973年に家族とインド、ネパールへ巡礼の旅をした後、屋久島に一家で移住した詩人です。いわゆる、経済的な勝ち負けや物質的な豊かさとは背を向け、「嘘のない人間の生活」を求めた山尾氏の言葉や、詩は、読んでいるだけで、ハッと我に帰らせてくれるような優しい言葉になっています。そんな、山尾三省氏が、琉球大学の学生たちに向けて語ったテーマが、書名にもなっている、「アニミズム」。アニメーションの語源にもなっている「アニマ」という、自然の万物の中に、命や精霊が宿っていると考える思想ですね。 〈目次より〉・第1話 土というカミ・第2話 山に向かって・第3話 小さ愛さ・第4話 家族について・第5話 新しい自然神話・第6話 私は誰か・第7話 存在するものの知慧・第8話 ユウナの花・第9話 水というカミ・第10話 ついの栖・第11話 「出来事」というカミ・第12話 静かな心・第13話 びろう葉帽子の下で・第14話 回帰する時間・第15話 日月燈明如来 あとがきにはこう書いてありました。「森羅万象に向き合う個人が、その中の一象に意味性や喜びとしてのカミを見いだし、それを他者と共有していく新しいアミニズム思想は、個人が個人でありながらそれを超えていく自由を内蔵していると同時に、環境問題という私達につきつけられてある必須の課題を解決していく、小さいけれども重要な方法論でもある。」この講義録の中で、特にグッときたのは、5話の「新しい自然神話」と14話の「回帰する時間」です。読めば読むほど、偶然手渡されたとは思えない、牋嫐瓩魎兇犬討靴泙い泙后5話「新しい自然神話」より→「現在の私達を支配しているものは「経済」という神話、あるいは「科学の進歩」という神話であるわけですが、それらが神話たりえなくなった現在は、さらに第三の神話とも呼ぶべきものが登場しつつあります。今少しずつ、環境問題といいますか、自然というものの重要さといいますか、そうした感受性をもう一度よみがえってくる神話が、もう胸のあたりまで立ち上がってきています。これを「新しい自然神話」というふうに呼びたいと思うんです。「新しい自然地球という神話」と読んでも構いません。」14話 「回帰する時間より」→「ぼく達が生きていく時間の中には、大きく分けて二つの相があります。そのひとつとして、進歩する文明の時間というのがあります。ー中略ーこの進歩する文明の時間というのは過去から未来へ向かって上昇するかどうかは分かりませんけれども、少なくとも一直線に進んでいます。決して後戻りしません。時間的に縄文時代に戻ろうとしたって戻ることできません。」「もうひとつの自然の時間というのは、簡単にいえば太陽系の時間ということです。太陽系の惑星達は、自転してますし、自転しながら少しずつ太陽の周囲を公転してますね。この太陽系のシステムというのは、太陽系が宇宙の中に発生した四十六億年前から現在に至るまで、まったく進歩してないんです。ただ同じ道を回帰しているだけ、循環しているだけなんです。」「ぼくの考えるところでは、今多くの社会不安、社会病理のようなものは、この二つの時間の相剋、個体としては循環する生(生理)の内にあるものが、つまり進歩しない時間を内蔵しているものが、進歩する時間に奪い取られてしまっていることに原因していると思います。」いかがでしょうか?この『アニミズムという希望』は、20年前の2,000年に発売になった本ですが、今の時代に必要な狠侶鱈瓩見えてきませんか?・「嘘のない人間の生活」・「アニミズムという思想」・「新しい自然地球という神話」・「回帰する時間の復活」講義録の中の一部ですが、出版社の方から必然的に手渡された本の中に、何か犧瓩防要な重要なメッセージ性のようなものを感じざるを得ません。実際に、読ませていただいたら、出版社さんの仰る通りいい本でした。ご興味あれば、皆さまも是非! 読書のすすめ小川

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