今こそ奮起せよ、日本人---常に戦場にあれ!? [4902417241] :
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今こそ奮起せよ、日本人---常に戦場にあれ!?

1,728円

松濤弘道著 ◆せっかく素晴らしい本と出会えたのに、 出版社さんに問い合わせたら、在庫がなんと8冊しかないって。 『仏教的生き方のすすめ』と同じ著者が書いた本です。 副題が「国家存亡の危機に直面して」とあります。 昭和8年生まれの著者の眼から見た現代は、ものすごい 危機感を、そして、戦争前夜の雰囲気と今を照らし合わせて見えているのだと 思います。 この本は、もう8冊しかないので、多くの方には読まれないと思うので、 下記に気になるところを書きだしてみました。 私たちには、なるべく苦労したり困難なことを避けて易きにつき、目先の欲につられてお金儲けができ、お買得品に飛びついてラクな生活ができれば事足れりといった風潮があるようです。私がホテルやレストランに出向いて気づかされるのは、いつもお客で混み合い、はやっている所は、たいていマネージャーはじめ従業員全員がてきぱきと働き、お客に対して気配りやサービスが行き届いていることです。ところが閑古鳥が鳴いている所は、お客の要望などをいっさい無視し、ただ寝泊まりの場や食事を提供すれば十分だと考え、床にゴミが落ちていようが、壁にかかった額が曲がっていようがわれ関せずで、勤務時間を勤めあげ、給料さえ貰えばいいといった態度が見え見えです。仕事をよく成し遂げて顧客に喜んで貰うことよりも、マニュアルどおりの仕事をこなすことに終始し、それ以上のことを責任を持って積極的にやろうとしないことです。その結果、客足が遠のけば業績が悪化し、ひいては自分がリストラされるのを知っているのかどうか疑いたくなります。 大学の学生なども同様で、教室では先生の講義を聞いて自分の実力をつけようとする真剣味に欠け、ある程度の成績で単位を取り、卒業できればよいといった考えからか、社会に出て就職する前のモラトリアム(猶予)期間であると割りきっているようです。したがって、勉強をするというより、学校は友だちと一緒に遊んで楽しむ場所であると考え、放課後(なかには学校をさぼってまでも)、小遣い稼ぎのバイトに精を出すといった現象が見られます。これでは実力がつくわけがなく、これでどうしてわが国の将来を担い、国際的にも実力競争に打ち勝つ指導者や企業戦士、そして国民が育つことができるでしょうか。 要するに、万事モノあまりの豊かな飽食の時代にあって、希望や目的意識を喪失し、やる気をなくしてしまったのだと考えられます。かつてわが国の戦後の復興期やバブル期のような発展途上時代では、誰もがモノやお金の獲得に必死になって働かざるをえませんでした。しかし、最近ではその発展も頓挫し、大人や若者もおしなべて、物質的な面である程度満足し、これ以上働き学ぶ必要を感じないのか、ハングリー精神をどこかに忘れてきてしまったようです。そこには、かつての日本人が持ち合わせた勤勉、秩序、規律、向上心といった美徳が見当たらず、それぞれ自分勝手に、贅沢でいい加減な日々を送っているように見受けられます。その点、わが国に留学している発展途上国からの人びとは、なけなしのお金を払って来日し、滞在中になにか一つでもよいものを持ち帰ろうとする意気込みと好奇心を持って、真剣に学んでいる姿が見られます。 わが国の優良企業に発展させた京セラの会長、稲盛和夫さんは、ただ儲け商売に徹するだけが人生ではないと一念発起し、出家したくらいです。が、彼は常々「強烈な願望を持て」と述べ、「とくに研究開発型のビジネスマンは二十四時間が仕事の時間だ」と言いきっています。幕末当時、長岡藩の藩士、小林虎三郎も、主の牧野家に代々伝わった家訓「常在戦場」を信条として、いつも自分の今いる場を戦場と心得、眼前の敵と真剣に対峙する必要を説いています。そこでは一切のインチキ、ごまかし、無視、手加減は許されません。このように常に目的意識を持って、対象物と真剣に対決することは、物理学でいう励起運動と同じで、分子が活動しているところへエネルギーを注入すると、分子運動が高まって大きなエネルギーが生じて爆発すると同様の起爆剤になるのです。 私たちの人生には希望や目的意識や勤勉さが不可欠です。それを持たない人が暇を持て余し、「この世はつまらない」とか「生きがいがない」とぼやくのでしょう。寝ても覚めてもいつも仕事のことを考えることが大切で、たとえしばしの休養も、次の仕事に取りかかる筋目と心得、旅行やゴルフに出かけるのも、情報を集め人脈を作る仕事の一手段と考えるくらいでなければ、とうてい、仕事を大成させることはできないでしょう。「そんなに常に気を張り詰めていたら、心身がおかしくなってしまう」と杞憂するのは、仕事や勉強を嫌々ながら自分に課せられた労働と心得ているからで、それが趣味と思えば気負わず楽しくできるものです。私も及ばずながらいつも自分と仕事は一体と考えており、疲れたときでも病気で臥せっているときでも、それを仕事の一部と心得、自己反省と再出発の清涼剤と受け止めているので、年間を通じて完全休日をとったことがありません。 かつて電力の鬼といわれた松永安左エ門の晩年に次のようなエピソードが伝えられています。あるとき松永氏を訪れた老骨董商が彼から近況を尋ねられて「お陰様で息子も一人前、すっかり任せきって悠々自適、足に夕にお風呂に入り、美しいものを見る毎日です」と答えました。すると松永氏は「バカもの!」と一喝して、「人間は一生闘いだ!悠々自適しますならお前はもう生きていく価値がない!バカモノ!働け!」と言ったそうです。そのくらいの気持ちで松永さんは九十歳になっても現役で働いていたそうです。 平和な時代にあって、なにを今さら「常在戦場」などという物騒なことをいいたてるのかと疑問に思われるかもしれません。が、政治や経済や社会のあらゆる面で、不況で八方塞がりの手づまりの時代にあって、先行き不透明の世の中だからといってただ愚痴や不満を漏らし、誰かがなんとかしてくれるだろうとタカをくくり、手をこまねいているだけでは事態の解決がはかれるはずがありません。かつての武力による戦争は終焉し、戦後は経済戦争が続き、過去の経済大国の栄華に酔いしれ、平和ボケして享楽にうつつを抜かしている日本人がこのまま推移したなら、いずれこの戦争に負け、日本沈没の憂き目を見ることになるのは必定です。そうならないためにも、また、自分自身が悔いのない人生を送るためにも、私たちは常に第一線の戦場に在る気持ちで周囲の状況に目をこらし耳をそばだて、直面する問題に真剣に立ち向かう必要があろうかと思います。 先日、ニュースを見ていたら、お盆休みから帰省する サラリーマンにインタビューしているのを見ました。 「明日から仕事だと思うと憂鬱になります。でも、来年もお盆休みが取れるように頑張ります。」 と言っていました。 これが、今の日本人の一般的考え方だとしたら、やはり日本は100年後には 無くなっているのかもしれませんね。 幕末の志士や戦争で亡くなった人たちの思いを考えてみた時、 もう手遅れかもしれませんが、気づいた人から火事場に一滴の清涼をかけてまいりましょう。

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