酔古堂剣掃(すいこどうけんすい)を読む---不朽の名言集 [4800911117] :
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酔古堂剣掃(すいこどうけんすい)を読む---不朽の名言集

1,728円

安岡正篤著◆明治の人たちの多くは、「酔古堂剣掃(すいこどうけんすい)」 という中国の古典の本がよく読まれていたそうです。 いまの現代人は「菜根譚(さいこんたん)」は今でもよく読まれているようですが、 この本のことはあまり知られていないようですね。 ぼくもまったく知りませんでした。ところが、先日、 あの松井秀喜を生んだ星稜高校の野球部長をやっておられた、 本田実先生にこの本を教えていただき、知ることができ、 こうしてこの本の面白さをみなさんにお伝えできることになった次第です。 著者、安岡正篤氏ですが、安岡氏の本は多少中国古典の知識が ないと難しく感じてしまう本が多いのですが、この本は講義録を元に 書かれた本なので、実にわかりやすくしかも深いのです。 下記に一部ご紹介いたしましょう。 『今日の日本はまさに穢国悪世(えこくあくせ)です。どう贔屓目にみても汚れた国であり、悪い世の中です。その穢国悪世を捨てないで、穢国であればあるほど、悪世であればあるほど、菩薩にすればこれ以上の悲しみはない。いわゆる大悲の至極なのであります。この悲という字に「願」をつけると「悲願」となる。楽願ではいかんので、悲願ということが一番尊い。菩薩の悲願こそが大悲の至極なのであります。 したがって、こういう穢国悪世を、ただ単に非難したり憤ったり、それはいろいろの感情があります。けれども、国民として、識者として、一番の至極の感情はやっぱり悲しみということであります。特にわが国の指導者たちは、それこそ「大悲」「悲母」の心を持たなければいかん。そして国民もまた今日こそ生きる根本において、慈悲の学問、慈悲の信仰、慈悲の願い、いわゆる悲願を養うべきである。そういう心があって初めて、その中に人間としての真の楽しみが発見されるのであります。人間の感情というもの、人間の良心というものはいかにも神秘なものであって、心のそういう最も深い琴線に触れるような学問をすることが非常に尊いのである。それにはやはり、古人の傑作名著を読むのが一番です。 しかしそういう学問は、一朝一夕では会得できるものではない。のみならず、突きつめて言えば独り学ぶべきもの、「独」の心境で学ぶべきものである。「独」という字には、非常に複雑な、非常に深遠な意味がある。まず第一番に誰にでもわかるように多くの人に対する一人、孤独の独という意味があり、その他に「絶対」という意味がある。相対を超越するという意味の独である。「超越する」という言葉もまたみだりに使えないけれども、相対を突きつめると絶対になる。それをさらに突きつめると人間も独になる。つまり、孤独の独ではない。絶対の独なのであります。それがわかって初めて独立・独参・独行となる。剣聖・宮本武蔵は「独行道」と言うております。 われわれもまた複雑きわまりのない現実の中にあって、時には独になりますが、独を味わうことは極めて尊いことです。「荘子」ではこれを「見独」と言い、仏教では必ずしも禅にかぎらんが、独の深理、教え、真理を説いておるのであります。 そして、だんだん独に徹していくと、初めて真の楽しみも開けてくる。そこが人間精神の最も微妙なところで、「独楽」の境地が開けてくる。これを「一人楽しむ」なんていうのは極めて浅薄なる解釈であって、本当は「独の楽しみ」と考えなければならん。すなわち、自分自身、孤独、これは誰も寂しいことであるが、その孤独にだんだん徹していくと独楽の境地が開けるのであります。 そういう複雑微妙な気持ちから、独悲ではなくて、独楽の文献を選びだして読んでみようかと思ったら、古人の文献には「いいな」と思う材料がいくらでもある。しかし、あまり凝ったものだと、これを解説するのに時間がかかるばかりではなく、予備知識がまた大変である。率然として話をしてもなかなか意を尽くせない。何かわかりやすい、しかも昔から日本人、特にわれわれの前代である明治の人々で、見識が広く、心ある、教養の高い人々が読んだものはないだろうかと、あれこれ探してみたら一つには「菜根譚」があった。しかしこれはどうも物足りない。そこでふと思ったのが「酔古堂剣掃」です。これは徳川時代から、特に明治の人々が非常によく読んだもので、広く行き渡っていた。「剣掃」は「ケンソウ」と読んでもいいのだが、読み癖で「ケンスイ」と読まれている。この本は意外なほど広く普及して、いろいろの文人・墨客が愛読したものとしては、「菜根譚」などよりずっと内容が豊富でかつおもしろい。』 「独楽」って言葉、しびれますね〜。 私たち日本人は、なんでもかんでも便利で豊を目指してやって まいりましたが、それと引き換えに、何か大切なモノを置き去りにして きてしまったように感じます。 本も明治の時代の人より、いまは簡単に手に入るようになりました。 しかし、皮肉なことに深い琴線に触れるような読書は、 遠ざかってしまっているように感じます。 この本で、思考の深化をどうぞ味わってみてください。

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