俗戦国策---人類一人前の思想 自己を制する勇気 [4902854152] :
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俗戦国策---人類一人前の思想 自己を制する勇気

5,400円

杉山茂丸著◆最近、新人社員研修などに参加したり、新大学生に会って 話しをしたりしていると、みなさん真面目でいい子ばかりで、 彼らの前途に大いに期待するばかりである。 ただ、この”いい子”というところがちょっと気にかかる。 なにかの壁にぶつかったり、人間関係で行き詰ったりしたとき、 はたして”いい子”ばかりで、乗り越えて、それを力へと変換することが 出来るのだろうか? 人間なんて誰しも弱さを抱えている。しかし、それを自分自身で 制御するする術を身につけてこそ品のある人格を形成できるし、 それをお若い方はぜひとも習得してほしいと、おじさんは願うばかりである。 そこで「読書のすすめ」店主として、「逆のものさし講」代表として、 「NPO法人読書普及協会」顧問として、元治元年生まれ、 明治大正昭和と日本のために命をかけて、しかも愉快に時代を 駆け抜けた男、杉山茂丸という人物の本を紹介し、オススメしたい。 この本は、冒頭に青年に向けての熱いメッセージから 始まっている。 「俗戦国策は青年のために書くのである。 今の青年は、就職難と戦うて、それだけで終る者もある。また、 父兄も子弟の就学をもって、父兄たる義務がおえたかのように 心得ている者もある。また、千辛万苦して、やっと得た免状は、 その父兄子弟とも、衣食の通券でも得たかの心地をして大安堵を なす者もある。 それからまた、就職難に入るのであるが、この就職難という戦争で、 大概は戦死者となるのである。 それから偶々就職して勝利者となったものは、この多くの戦場の勇者で あるようじゃが、一方、人間精神上の論功行賞からいえば、 全部敗北者ばかりである。その全身に充満する物は恐怖と杞憂ばかりで、 天下国家は申すにおよばず、社会民衆の上に往来する、 人類一人前の思想さえ維持するの力もなく、この貴重の生涯を、また、 生活難という戦場で、ほとんど全部敗北者となるのである。 それではこの勝利者、成功者は、飯を喰うて、生きられるだけ生きていたに 過ぎぬ。他の動物と少しも選ぶ事の出来ぬ者ばかりとなるのである。 かかる敗北者に限りて、勇気というものが少しも無い、ために自己の 生存以外に、智力も体力も、一切の活動が停止されるのである。 したがって自己以外、他に及ぼす力が無いのみならず、自己を制する勇気 さえ全部消耗してしまうのである。人間、自己の欲望をさえ制する力が なくなるのであるから、真に獣類と少しの差もない事になるのである。 自分さえ喰えば他は餓死しても構わぬ。それが亢進して他の奪うて喰う事に なる。自己さえ着れば他は凍えても構わぬ。それが亢進して他を剥いで 着る事になる。 かくの如くなる時は、自分ばかり大厦高楼に住居し、自分ばかり錦衣玉食を なし、自分ばかり嗜好三昧を充たして、これを抑制するの能力を失い、 他は飢寒凍たい、流離困頓するも、これに同情するの意識を亡失する のである。 中略 今の日本は、政治の最上位の腐敗から、貴衆両院と富豪の腐敗が 爛熟してきて、今日の危殆に瀕しているのである。この純良な国民の いずこに腐敗があるか、その証拠は驚くなかれ無慮二十億円の租税を、 お上の御用というて正直に納めているではないか。 かくの如く純正無比の国民に向って、人類腐敗の先登者ともいうべき 上流種属が、どの面の皮で人心悪化だの道義心の腐敗だのといい得るのか、 ゆえに庵主(著者、杉山茂丸のこと)は高唱す。 国家の腐敗はいつでも上から先に腐って、下に及ぼす物である。 日本では最下層まで腐りのとおった事は一度もない。ゆえに聖者、賢者、 正義者の起る時は、いつでも国民が蹶起(けっき)する。その度ごとに国家は 善良に回復するのである。 これを我国は三千年繰り返している。現在においても、日本は上が 腐っているだけで、下は決して腐っておらぬ。その証拠は、二十億円に 近い租税を納入して、昔ながらの家庭を守り、勤労しているではないか。 ここにおいて庵主は、青年たちに向っていう。 「能率なき学問に中毒して、能率なき行為をしてはならぬ。 学問は前途に進歩発見を見越しているまったくの未製品である。 正にもって人間が使用すべき物の一つが学問である。 それに人間が使われてたまるものではない」と。 人道というものは、簡単明瞭なものである。 「智者は愚者を導き、強者は弱者を助け、富者は貧者を賑わす」、 わずかにこの三つで足りるのである。しかるに現世界における学問中毒の 大勢は、すべてこれと反対である。 「智者は愚者を欺き、強者は弱者を凌ぎ、富者は貧者を虐げる」 これでは決して永続きするものではないということを早く知った者が 人道の自覚者で、ただちに勝利者となるのである。」 この本に書かれていることをまっすぐに受け止めて仕事をしよう。 人生という時間は、短いようで長く、長いようで短い。 この、人それぞれ異なる時間感覚をどう使用するかは、その人自身が どういう人に出会い、どういう本に出会い、どういう思考行動をとれるかで、 宝となるかクソとなるかの分かれ道だ。ゆえに、どんな人と本に 出会うかは、人一人の貴重な一生にとって、重大に考えなくては ならない。 著者、杉山茂丸という人物は本物であり、人生をこれでもか!というぐらい 愉快に楽しんで過ごした人物といっていい。あの頭山満翁が、 彼を讃えてこう言っている。 「一言にしていえば彼は天下の奇才じゃった。本腰を入れてやったら 何でも仕出かす男じゃった。先の見える男で、普通の者より20年も 30年も先のことに着眼した。」 本を通じて彼と出会える幸せを 味合うことは、一生の宝物と認識するべきだろう。

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