モモ---時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた [4001106879] :
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モモ---時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた

1,836円

ミヒャエル・エンデ 大島かおり著◆『「これは星の時間をあらわす時計だ。」マイスター・ホラは言いました。「めったにあらわれないような星の時間を、確実におしえてくれる時計なんだが、ちょうどいまそういう一時間がはじまったところなのだよ。」 「星の時間て、なんなの?」とモモはききました。 「いいか、宇宙の運行には、あるとくべつな瞬間というものがときどきあるのだ。」マイスター・ホラは説明しました。「それはね、あらゆる物体も生物も、はるか天空のかなたの星々にいたるまで、まったく一回きりしか起こりえないようなやり方で、たがいに働きあうような瞬間のことだ。そういうときには、あとにもさきにもありえないような事態がおこることになるんだよ。だがざんねんながら、人間はたいていその瞬間を利用することを知らない。だから星の時間は気づかれないままにすぎさってしまうことがおおいのだ。けれどもし気がつく人がだれかいれば、そういうときには世の中には大きなことがおこるのだよ。」 「きっとそのためには、」とモモは言いました。「そういう時計がいるのね。」 マイスター・ホラは笑って頭をふりました。 「時計があるだけじゃだめなんだ。この時計の読み方も知らなくては。」』 以上、【エンデ『モモ』】より。 主人公は、街の円形劇場の廃墟に住み着いた小さな女の子のモモ。彼女に話を聞いてもらうだけで、誰もが幸福な気持ちになれるという不思議な力に惹かれて、大人も子供もモモの周りに次々と集うようになり、街の人々との間に温かな友情が生まれていきます。 ところがある日、「時間貯蓄銀行」から来た灰色の男たちが、この街に現れます。人間の時間を盗んで生きる彼らの詐術によって、街の人々は時間の節約を始めます。どんどん冷え切っていく街の大人たちの心。友人たちを何とか助けたいと願ったモモは「時間の国」に導かれるようにたどりつきます。そこで出会った、時間を司るマイスター・ホラと、そこ使いである亀カシオペアの助けを借りて、モモは灰色の男たちとの戦いを開始するのです。 大変素晴らしいストーリーなので、ディテールや結末は、ぜひ実際に読んで味わってほしいのですが、幸福のありようが、「時間」という言葉とともに実に豊かに語られていきます。それとともに、その豊かさが、すべてを寮に換算し、コントロールしようとする灰色の男たちにスポイルされていく姿も克明に描かれていて、それに逆照射される形で、「幸福」や「時間」のかけがえのなさが浮かび上がってきます。そして、それらは常に、先に述べた「星の時間」と関わっているのです。 さて、「自分の意思とは関係なく偶然に」生じるのが「星の時間」だと書いてきましたが、では、幸福とは、たまたまラッキーな人だけに、何の努力もなしに、「たなぼた」的に訪れるものなのでしょうか。実は、ここが肝心で、時間を司るマイスター・ホラが「時計があるだけじゃだめなんだ。この時計の読み方も知らなくては」と語っている通り、幸福がどんな形で訪れるかは予想できないにしても、「準備」が必要なことは間違いないのです。 以上、【行く先はいつも名著が教えてくれる--魂の深いところから響いてくる】より。 上記に書かれていることは、【逆モノ講】で 最近話される「正気(せいき)」に選ばれる 生き方と通じるところがあります。 「時計の読み方の準備」は、好き嫌い、損得などの 幼稚な判断基準の上位にある真理・本質的な 生き方なんだと、骨のある本を読むといつも 確信させられるます。

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